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2021年3月23日火曜日

カテゴライズについて

近年,心理学界隈では様々なカテゴリが提唱されています。HSP,LGBT,ポリアモリー,飛ぶ族,アプデ…

これらカテゴリは,慎重に考えなければならない分野です。

心理学者たちが一歩距離を置いて見つめ直す必要があると考えているこれらカテゴリが,あまりに簡単に世の中に受け入れられすぎていることは若干の危機感を覚えます。


なぜか。


例えばHSPを例にとって考えると,HSPとはHighly Sensitive Personの略で,訳すと「人一倍敏感な人」という意味です。

これは,DOESと呼ばれる4つの項目,すなわち

①熟考的である

②刺激に敏感

③共感力が高い

④感覚が鋭い

この4つのすべてを満たす人物であると定義されています。


この定義の発端は

「人一倍敏感な人物が5人に一人ほどいる」という発見からであり,目的は「敏感なゆえに親から見て子育てが大変だったり,大人になって社会で生きづらかったりする人たちがその原因を知り,自分との付き合い方を知るきっかけになる」というものです。


しかしこの概念が,「自分は敏感なのだからそのような自分に皆は配慮すべきだ」という武器や,「自分は傷つきやすいから人におびえて生きなければならない」という自己放棄,また「自分は繊細でほかの人よりも優れた人種である」といった思想に使われる可能性は容易に想像できます。

つまり,自分のケアの助けになるはずのカテゴライズ行為が,かえって自分の進歩を止める言い訳に使われるということです。


そこで,カテゴリを考える際に注意すべき7つのポイントをお話しします。

↓↓↓↓↓


①そのカテゴリの定義は何か

②そのカテゴリの発見の根拠は何か

③提唱者がカテゴリを定義した目的,意義は何か

④そのカテゴリを考えるメリット,デメリットは何か

⑤そのカテゴリは本当に存在するのか

⑥そのカテゴリを考えることに意味はあるか

⑦そのカテゴリは自分に当てはまるのか


↑↑↑↑↑

これらの項目を順番に考えることでかなり情報が精査できると思います。

そのカテゴリの真偽を知り、そのカテゴリが存在する場合はそれを有効に使うことができる。



実際,近年ではただ高いところが少し苦手なだけの人を「高所恐怖症」と呼んでしまったり,4つのポイントすべてを満たしているわけではないのに少し敏感なだけで自分はHSPだと思い込んでしまう人,「男なのに可愛いものが好き」なだけで自分を性同一性障害だと思い込んでしまうなど,誤解が多い気がします。


これは,カテゴリのちゃんとした定義,そのカテゴリが存在するかどうか,そしてそのカテゴリを考える意味があるかどうか,を考えずに鵜呑みにしているからだと思います。


だから,今言われている「新しい常識」とやらを一度すべて疑ってみて,何が正しいかを自分の意志で取捨選択していくことがすごく大事なことだと思っています。


もう流行りに乗るのは,やめませんか。

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